「NOGAMIの器と陶胎漆器」〜6人の漆作家との出会い

猫をモチーフにした花器や器が人気を集める陶芸作家、野上千晶さんと6人の漆芸家がコラボした作品展「NOGAMIの器と陶胎漆器〜6人の漆作家との出会い〜」が3月1日から29日までUnd.(堤淺吉漆店)で開催されます。

京都を拠点に活動する野上さん。「物語を奏でるようなオブジェや器」をコンセプトに産み出される作品は、一つ一つ想いの宿ったかけがえの無いもの。そんな作品の制作過程で入る亀裂や割れは時にやるせない気持ちになるのだとか。特に素焼きの段階で入る亀裂は修復が出来ず、これまで完成を諦めてきたそう。

素焼きの段階で亀裂の入った、代表作「パンデローがやってきた」。こうなると修復が不可能に。

マイナスをプラスに変える漆の魅力
新たな命を吹き込む「陶胎漆器」


そんな時出会ったのが「漆」。

3年前、自身の代表作でもある器「パンデローがやってきた」の素焼き過程で入った亀裂を眺めていた時、ふと漆で修復する金継ぎを思い出した。「漆なら亀裂も繕えて、これまで失敗とされてきたヒビや割れを個性として蘇らせることが出来るのではないか」と。

今回のコラボのきっかけは、そんな野上さんと漆の出会い。同じ京都市立芸術大学卒の漆芸家たちに声をかけ、着想から3年。温め続けてきた企画が、ようやくカタチになります。

漆芸家にお願いしたことはたった一つ。
「この亀裂を個性として生かしてほしい」。


まさに6人6通りの陶胎漆器(陶器に漆を施す技法)が生まれました。
堤淺吉漆店で働く仲間もコラボ作家として参加します。

こちらが人気の「パンデローがやってきた」。
この制作過程で入ってしまった亀裂を、漆で修復しながらデザインに変えていく。その作品の一部が下の写真。

野上ファン必見。
普段の作品とは一味違う唯一無二のNOGAMI陶胎漆器を是非お楽しみください。

近年、金継ぎでの修復はポピュラーになってきましたが、今回6人の漆芸家が手掛けたのは、修復しながら、その傷を個性として生かす、新たな試み。是非会場でご覧ください。

会期中の3月8日(土)9日(日)には、関連イベントとして、「漆絵ワークショップーオリジナル猫プレートを作ろう!」も開催します。
本人も参加しますので、直接交流出来る良い機会です。
詳しくはコチラ


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『NOGAMIの器と陶胎漆器』
〜6人の漆作家との出会い〜

【会期】3月1日(土)〜3月29日(土)

【場所】Und. (堤淺吉漆店1F)
京都市下京区 間之町通松原上る稲荷町540番地

【時間】11:00~18:00 

【定休日】日曜日・月曜日・第2、4土曜日・祝日

〈参加漆作家〉

萩原佳奈
唐澤祥子
野口智香
佐藤志乃(堤淺吉漆店)
宮地環(堤淺吉漆店) 
久保金陽(堤淺吉漆店)

NOGAMI 野上千晶

陶芸作家/Ceramic artist ,Japan

「京都の美大にて陶芸を学び、作陶を続けています。"クスッとした微笑みが生まれるようなモノづくり"をテーマに、現在は主に猫のフォルムをした器などを制作しています。」

chiaki_nogami

asakitichi tsutsumi