漆サミット2022 in茨城にて登壇させて頂きました。
「日本産漆」の現状と全国さまざまなエリアでの取り組みを把握し、お互いに認識を共有することを目的とした漆サミットが,2022年は茨城県水戸市で12/9~11日の3日間開催されました。
弊社からは、堤卓也が参加し、2日目のプロジェクトである「日本産漆を活かした地方創生の取り組み」で登壇させていただきました。
”漆と工芸を未来に繋ぐために”というテーマで、これまでの活動や今後の展開についてお話しをさせていただき、各地での取り組みをされている方々とも交流できました。今はネットで情報がすぐに分かる便利な時代ですが、実際にお会いして話していく中で生まれるアイデアや共通課題、想いをキャッチ出来ることは、とても貴重な体験です。さらに、これまでに関わっている漆ですが、このサミットでは漆の歴史や研究についてもどっぷり知れるのは、知りたい人にも堪らない内容です。当日会場では、埼玉の高校生の漆研究ポスターの発表もあったりで、漆研究されている方々が集まり、とても盛り上りました。
高校生の漆発表に関してご紹介させて下さい。
ポスター展示で『酒類が漆に与える影響』というテーマで発表されました。
こちらはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)生徒研究発表会(全国大会)にてJSEC2022(第 20 回高校生・高専生科学技術チャレンジ) 敢闘賞を埼玉県立浦和第一女子高等学校の高校生2名が獲得したもの。すごいですね。
彼女達は松田権六著「うるしの話」から着想を得て、お酒で本当に漆の硬化は早まるのか確かめる研究を始めたそうです。
2名のうちの一人は仲良くさせて頂いている漆作家さんの娘さんです。2年前にzoomで漆の科学的なことや日々の仕事の中での漆の反応のことなどお話させて頂きました。その後も1年以上かけ学校で実験を繰り返し、3年生になった2人は論文にまとめてくれました。
先生も漆がわからない中で高校生が論文を書き上げることはほんとに大変だったと思います。
漆に興味を持ってくれて本当にありがとうございます!
たくさんの若者にいろんな形で漆に関わってもらいたい。その一つ一つが漆ときれいな地球を次世代に繋ぐと信じています。
3日目は、重要文化財「鹿島神宮」にて、拝殿他修復を見学させて頂きました。漆屋として精製された漆は、寺社仏閣などの重要文化財に使用される事も多く、現場を見学させて頂けることは貴重な事です。今回の修繕工事では、幣殿・拝殿・奥宮・楼門が修繕され、約7か年もの年月を有するとの事です。長い歳月ではありますが、無事修復が完了する事を願いつつ、訪れさせていただいた事をご挨拶させていただき、茨城をあとにしました。
帰りには日本橋三越本店で開催されていた「本間健司 木漆芸展」にお邪魔しました。
本間さんは茨城で漆の木を育て、夏から晩秋にかけては漆搔きを行います。樹皮を 剥ぎ、幹や枝に傷をつけて、樹液である漆を頂く。冬には漆を掻き終えた木々 を切り倒し、それらに鉈をいれて作品を作られています。漆の命とともにある仕事たくさんの人に見て頂きたい。
茨城にまた、必ず訪れます。
次は、もっとゆっくり色んな人に会ったり、行けたら嬉しいです。
主催の日本漆アカデミーの皆様、講演ご参加の方々
本当にありがとうございました!