ご報告と決意。
株式会社堤淺吉漆店はこの度、第3回「三井ゴールデン匠賞」を受賞させて頂きましたことを改めてご報告させて頂きます。
本来3月23日に予定されておりました贈賞式は、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり、グランプリとモストポピュラー賞の発表は、同日15時に三井ゴールデン匠賞WEBサイトにて発表されました。当社は共に受賞とはなりませんでしたが、受賞されました2組には祝福させて頂くとともに、素晴らしい活動や作品に敬意を表します。誠におめでとうございます。
また、当社の取り組みに共感頂き、ネット一般投票にて決定するモストポピュラー賞につきまして、投票頂きました多くの皆様、本当にご協力ありがとうございました。
受賞こそ出来ませんでしたが、私たちの活動は今回応援して頂きました多くの皆様の想いとともに、継続・発展して参ります。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
そして、伝統工芸の分野において、私たちのようなモノづくりを下支えする原材料屋にまで、チャンスを与えて頂き、このような賞を創設して頂きました三井広報委員会の皆様、関係団体の皆様、特別な評価をして頂いた審査員の皆様に心より感謝致します。
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時代の変化とともに減少する漆。
私たち漆屋は、山(生産者・漆搔き)と漆の使い手(職人・作家)との間にいる仕事だからこそ、それをリアルに感じてきました。
人はウルシの木を「植える」「育てる」「採取する」「物を作る」「使い繋ぐ」という長く大きな循環する輪を縄文から繋いできました。
しかし、安価大量生産、利便性やスピード感が求められる時代背景の中、その真逆にある漆は減少し続けています。
漆屋にできることは何があるのか?
そう葛藤し続ける中、自分たちがこれまでやってきたことは、モノづくりではなく、漆という素材そのものが持つ魅力や可能性、価値観を伝えるプロジェクトでした。
私たちだけでは、決して成しえなかった一つ一つのプロジェクトには、多くの方からのご支援、ご協力、アドバイスを頂き、今回の三井ゴールデン匠賞にもつながったと考えております。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
贈賞式の中止により、今回共に受賞した4組の匠賞の皆様とお会いできなかったことはとても残念です。現状に危機感を感じ、様々な取り組みをされている皆様とは、分野は違っても想いは共通しているはず。いつか皆さんとお会いできる機会が出来ることを願っております。
新型コロナウイルスという目に見えない脅威に世界が揺れ、不安な今だからこそ、いま一度工芸という人の手による天然素材のモノ作りを通して、人と自然の関係を考え直す機会にしたい。私たちの価値観や生活スタイルを見つめ直し、子供たち次世代に綺麗な地球とともに漆や工芸を繋いでいきたいと思います。
これからは、私たちの活動に共感してくれる多くの方々と共に、漆の木を植える活動をはじめ、様々なワークショップ、イベントを開催し、漆やその他の工芸素材の魅力をより多くの方に知ってもらえるように、その拠点となる『工藝の森』をつくるプロジェクトを一般社団法人パースペクティブで推進していきます。漆を軸に、『山と人』『人と自然』『人と工芸』の接点を増やしていきたいと考えています。
4年前、原材料屋として一歩を踏み出した『うるしのいっぽ』プロジェクト。これからはその第2章。今回の三井ゴールデン匠賞を糧に、2歩・3歩、歩みを進めていきたいと思います。今の時代だからこそ届く工芸の価値を日本中、世界中の人と共有し、国を超えて漆の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。
株式会社堤淺吉漆店