【工藝の森】2020漆植栽~森づくりから始まるモノづくり~
株式会社堤淺吉漆店の堤卓也が共同代表を務める当社のファミリーカンパニー「一般社団法人パースペクティブ」が11月14日、京都市右京区京北町の「工藝の森」で漆の植栽を実施致しました。
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木を植えることから始まるモノづくり。
モノを作ること、買うこと、使うことが森を育てることにつながる。
モノづくりが自然を起点に始まることに着目した、モノづくりの在り方。
この「行為循環型のモノづくり」を通して、人と自然の健やかな関係性が再構築されることを目指す場所。
それが「工藝の森」のビジョンです。
私たち(堤淺吉漆店)は漆の需要減少に危機感を感じ、2016年から「うるしのいっぽ」という活動を地道に推進してきました。
今、私たちに出来る事は何か?漆屋という素材屋だからこそ出来る事はないか?と模索しながら、冊子やWEB、映像、講演会などで漆の素材としての魅力を発信してきました。お陰様で大変多くの反響を頂き、一定の効果を実感しています。しかし、興味を持ってくれる人のほとんどは工芸関係者。つまり、既に漆や工芸に興味のある人たちなのです。ありがたいことに、その方々から広がる輪も大きく、現在では業界を超えて様々な方々にご協力ご支援を頂いております。
でも、このままでは、本当に漆の魅力を広げるには限界があるとも実感しました。私たちは、漆を知らない人たちにその魅力を伝えたい。そんな想いで「BEYOND TRADIDITION」プロジェクトと題し、漆の新たな可能性や価値観の提案も始めました。こちらも、今後、堤淺吉漆店として継続発展させて行こうと考えています。よろしければ詳細はリンクをご参照下さい。
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そして、この数年間の漆普及の活動を通して見えてきたこと。
それは、やっぱり自分たちだけでは何もできないということ。もっと大きな枠組みで、漆の力を発揮すべきではないか?そう、それが工藝の森に繋がったのです。それを気付かせてくれたのは、パースペクティブ共同代表の松山幸子をはじめ、京北町の皆様、多方面からアドバイスして頂いた多くの仲間でした。
漆を軸とした、森づくり。モノづくり。街づくり。仲間づくり。
今回の植樹はそんな工藝の森が掲げるビジョンに共感して頂く27名にご協力頂きました。漆関係者以外の方がほとんどです。京都府福知山市夜久野町で丹波漆の植栽・管理・漆搔きを手掛ける山内耕祐さんに事前に植え方をご指導頂き、当日は京北町の山師・塔下守さん、柿村貴則さんにもご協力頂き、60本の漆苗を植樹。獣害柵の力仕事まで、終日汗を流しました。
私たちはこの場所で漆を量産しようとは考えていません。漆を植え、守り、育てる過程・営みを共に体験して頂き、一緒に漆を通して森づくりに参加してもらう。自然の大切さやモノを大切にする気持ちを育み、いずれはこの工藝の森を起点としたモノづくりを実現させたいと考えています。
森づくりからはじまるモノづくり。
その”はじめのいっぽ”が踏み出されました。
是非、一緒に実現させましょう。