URUSHI SKATE 京都新聞に掲載して戴きました

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初めてスケートデッキに漆を塗ったのは十年以上前のことです。

その時はただ好きなものに漆を塗ってみたかった

そんな始まりでした。

10年以上前に作ったデッキ、漆が透けていい感じになってきました

10年以上前に作ったデッキ、漆が透けていい感じになってきました

 

仕事柄よく漆の話になります。

みなさんの漆のイメージってどんなでしょうか?

美しい工芸品、黒いお椀、お正月に使う、高い、ぴかぴか、傷がつきやすい、かぶれるなど

私の周りではこんなことをよく耳にします。

 

木が作り出す樹液である漆は、縄文の頃から塗料や接着剤として利用され人々の生活とともにありました。

自然の中で固まる漆の不思議に興味を持ったのか、その力に驚いたのか

漆に魅了された人々は様々な美しいものを生み出してきました。

その技術は先人から受け継がれ今も多くの方が守ってくれています。

 

でも原料である漆がどんどん減っています。

しかもすごいスピードで

私が仕事を初めた頃、底だと言われた使用量が15年ほどで半分になりました。

生まれてからだと10分の1です。

 

自然と人にやさしい漆は、現代の大量消費の社会の中で人知れず消えつつあります。

私たちの生活を少しほっこりさせてくれるものとして認識され

みんなで漆と自然を守っていけたらいいなと思います。

 

棚の奥にしまわれて使っていないお椀があったら、毎日使ってやってください。

そのお椀が自分のお気に入りのお椀に育つかもしれません。

 

漆は思っているより弱くありません。

子供の体を洗ってやるように大事に、ときに少し乱暴に扱っても大丈夫です。

 

スケートボードは使い古したデッキをもう一度シェイプし直してクルーザーデッキとして乗っています。

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傷がついてまたボロボロになったら漆を塗り重ねて乗り続けてみたいと思っています。

photo by Kumi Ando

photo by Kumi Ando

京都新聞 今口規子さま(取材)、水沢圭介さま(撮影)

お忙しい中ありがとうございました!

asakitichi tsutsumi