中国漆産地調査へ

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中国漆産地調査(宝鶏地区)

2017年7月26日~7月29日

中国産漆の調査に行ってきました。

海南航空に乗って西安へ

空港を出ると外の気温は42℃

あっというまに汗だくに、一日目は空港近くのホテルに宿泊しました。

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翌日6時に漆産地に向けて車で出発

230kmの道のりを4時間かけて進みます。

産地の山の下の方では養蜂がよく見られます

産地の山の下の方では養蜂がよく見られます

産地に到着後は、山のボス(漆搔き職人のまとめ役)の案内で漆搔き職人さんがいるテントを目指します。

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1時間ほど山道を歩き、山のテントに到着、気温は24℃からっとしていて(アブが多いことを除けば)町よりずっと快適です。

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到着は昼前でしたが漆搔き職人さんが実演の為に何本が木を掻いて下さいました。

漆の木は植栽されたものではなく、種が落ちて自生したもの。

下草刈りや伐採などはされていませんでした。

それでも様々な樹種の中に点在している漆の木。

「強いな」と感じました。

 

漆山での調査

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樹高、樹径の調査

樹高、樹径の調査

葉は日本のものより小ぶり

葉は日本のものより小ぶり

日本式漆掻きを試させて頂きました。

表皮が厚く形成層まで漆カンナが届かない

表皮が厚く形成層まで漆カンナが届かない

日本の漆カンナと中国の漆刃では内樹皮の取れる厚みに違いがあった

日本の漆カンナと中国の漆刃では内樹皮の取れる厚みに違いがあった

中国の漆掻き

無駄のない動きでするすると木に登っていきます

無駄のない動きでするすると木に登っていきます

足場は直接木に打ち込んでいます。

足場は直接木に打ち込んでいます。

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【漆の受皿】昔は木の葉か貝殻を利用、現在は合成樹脂

【漆の受皿】昔は木の葉か貝殻を利用、現在は合成樹脂

今では珍しい貝の受皿を使う職人さんに遭遇

今では珍しい貝の受皿を使う職人さんに遭遇

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漆桶と採取された漆液

漆桶と採取された漆液

少しずつ集められた漆液

少しずつ集められた漆液

漆山のテント

漆山のテント

この体でないととてもできない仕事です

この体でないととてもできない仕事です

漆掻き職人さんは採取期間である7月から10月までの間、山にテントを張り共同で暮らします。

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食料を自分たちで山の上まで運びます。川は冷蔵庫であり、汗を流し道具である漆刃を研ぐ場所でもありました。

アブの多い中、蚊帳で寝て漆は一番濡れにくいテントの下に保管してありました。

【漆刃】漆を採るために木に傷をつける道具、毎日研ぎます

【漆刃】漆を採るために木に傷をつける道具、毎日研ぎます

陽気な山のボス、木の登り方を教えてくれています

陽気な山のボス、木の登り方を教えてくれています

土でできた台所

土でできた台所

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中国でも漆掻き職人さんの減少が問題になっています。

現在彼らはヘッドライトをつけて夜の11時から翌日の11時まで漆掻きしてくれているそうです。

大変きつく、危険な作業です。

採取した漆はポリ袋に20㎏ぐらい集めます。それを担いで下の集荷場まで運びます。

20㎏ほどの漆を担いで下山します

20㎏ほどの漆を担いで下山します

今回1日目の産地は我々がアクセスしやすいようボスが選んでくれた場所で往復8キロぐらい、2日目の場所は往復12キロほどでした。もっと厳しいところがたくさんあると思います。

 

 

 

中国産漆というと質が悪いという言葉をたまに聞きます。

中国の漆の産地は山深い、大変きれいなところにあります。自然が豊かというか自然があふれるなか、他の植物との競争の中で生き残った漆の木からだけ樹液が採取されています。

漆掻き職人さんも環境負荷のとても小さい生活を送る中で採取してくれています。

現在、私たち漆屋がやりとりする中でしっかりした品質のものを輸入できるようになっています。

 

日本の漆産業は大部分を中国産漆に頼っています。

これから国産漆を少しずつ増やしていっても、中国産漆の生産量が今と変わらない。

そんな漆の世界的な需要を作っていきたいという漆屋の夢見がちな願望があります。

漆にはまだまだ世界中の人を惹きつける魅力と力がある。

どうやって伝えるか?

多くの人のアイデアでまだまだ漆は大きくなれる。そんな時代ではないでしょうか?

 

 

asakitichi tsutsumi