塗師の仕事場にて
漆しか表現できない 独特の質感
塗師 西村圭功
漆は人毛で作られた刷毛で塗るのが基本。化学塗料の吹付塗装では表現出来ない、何となく刷毛の風合いが感じられる柔らかな塗り上がりが魅力的。塗師の西村圭功さんが塗る作品は曲面が多く、乾かす時も定期的に向きを変える『返し』と言われる作業を今も手返しで繰り返す。そうすることで漆が垂れることを防ぎ、きれいに乾く。
塗った時よりふっくらと乾き、透明感のあるしっとりした質感は漆の大きな特徴。同じものでも毎日表情を変える漆。塗師の仕事はまさに、天然の漆との対話で成り立っている。(日野椀の塗師とは異なります)