漆×和紙のインスタレーション
和紙は昔から一閑張りをはじめ、漆とは関係性の深いもの。和紙の質感や風合いを活かした塗りや、木地の補強などにも使われ、漆芸には欠かすことの出来ない素材の一つ。私たちは、漆の素材屋として、他の天然素材との組み合わせによる新しい表現にも取り組んでいます。そこで制作したのが漆和紙を使った写真展のインスタレーション。和紙の独特なテクスチャーを漆で最大限引き出し、主役である写真を引き立たせながらも存在感を出す展示が実現しました。
堤淺吉漆店が2024年4月にオープンした、人と漆を繋ぐ場所「Und.(アンド)」のオープニングエキシビジョンとして開催したフォトグラファー・大杉隼平の写真展。彼が収めた、ものづくりに携わる職人たちの写真が、その漆和紙をベースに展示され、来場者の心をつかみました。漆和紙は柔らかに光を通すことで和紙の繊維が浮かび上がって表情を変えます。
使用したのは、徳島のアワガミファクトリーの和紙。数ある種類からテストを繰り返して漆を施しましたが、一つひとつ印象が違い、インテリアとしての可能性を感じました。私たちは、今後も和紙との組み合わせで、様々な漆の可能性を探求していきます。







