第3回「PFV賞」世界の家族企業から堤淺吉漆店が受賞|京都建仁寺両足院で授賞式
両足院での授賞式を終えたPFVメンバーと堤淺吉漆店ファミリー
堤淺吉漆店はこの度、世界で最も歴史あるワイン生産家12社からなる組織「プリマム・ファミリエ・ヴィニ 」(PFV)が未来ある家族経営企業を支援する目的で設立したaward、第3回「PFV賞」を受賞致しました。
この賞は2年に一度、伝統を守りつつ未来への革新を追求する世界中の優れた家族経営企業の中から選定される世界的な賞。PFVの12家族が、彼ら自身と同じように、世代を超えて受け継がれる技術と持続可能な発展を重視する企業5社をノミネートし、この度その中から当社が第3回PFV賞に選ばれました。アジアの企業としては初受賞となり、4月10日にはPFVファミリーが来日し、京都の建仁寺両足院を会場に授賞式が開催され、栄誉あるトロフィーを授与頂きました。
PFV会長Charles Symington氏からトロフーを授与頂いた当社堤卓也社長
当社の活動を支えて頂く各界の若き同志が会場に華
当日は、両足院様のご協力のもと、本堂をメインにセレモニーが開催された他、日頃から当社と親交の深い漆芸家・服部一齋氏の作品も展示し、賞に華を添えて頂きました。会場には京仏具のおりん製造メーカー南條工房が手がける音のインテリア「Synclee(シンクリー)」に当社で漆塗りを施した特別仕様モデルが設置され、優しいおりんの音色を響かせ式典を彩りました。また、両足院様の粋な計らいによって、特別に茶室も開放頂き、茶人・中山福太朗氏からPFVファミリーにお茶をおもてなし、日本の伝統文化「茶道」も体験頂きました。
服部一齋氏のアート作品と両足院の庭園
漆塗り特別仕様のSyncleeが奏でるおりんの音色が会場に響く
茶室では茶人・中山福太朗氏からお茶のおもてなし
お茶を点てて頂いた抹茶椀は、当社がプロダクトデザイナー兼漆芸家の大川翔吾氏と協働で開発した新たな商品(詳細はこちら)。あえてステムを無くした和を感じさせるワイングラスとしても汎用性があり、PFVメンバーにはお土産としてご用意させて頂きました。
抹茶椀でもワイングラスでも使用できる新しい漆器でおもてなし
さらに、毎回授賞式に展示されるPFV12社のワインが入る特注の木製ケースは、今回特別にボディーに拭き漆を施し、服部氏によって豪華な蒔絵が施された、スペシャルモデルを当社でご用意し、進呈させて頂きました。
ワインにちなんで葡萄を厚貝で表現した服部氏の蒔絵が施された特別仕様のワインケース
さらにさらに、パリコレデザイナーとしても名高い世界的ファッションデザイナー中里唯馬氏と当社がコラボした漆の装飾も会場にお目見えし、華やかに演出して頂きました。
パリコレデザイナー中里唯馬氏と当社とのコラボテキスタイル
Sekimori Stone
SAIDA SEKIZAI(Stone Lantern Maker)×SHOWEN KUMIHIMO(Kumihimo Maker)×漆
京都のフレームビルダーVIGORE×漆芸家・服部一齋氏 「70next 知足」も展示
前日には料亭、祇園椿様にて前夜祭も開催され、和やかな雰囲気で交流もさせて頂きました。
また、授賞式前には、当社工房の見学と拭き漆のワークショップを実施。漆の成り立ちや素材としてのストーリーをご説明させて頂き、天然素材を原料とするワインづくりとの共通点や歴史に共感頂きました。授賞式後には、当社と同じく4代続く老舗日本料理店、京料理本家たん熊本店様に場所を移し、国内外のメディア関係者の皆様と共に華やかな食事会も開催して頂きました。鴨川沿いに咲き誇る満開の桜を展望できるロケーションの中、PFVメンバーが持ち寄った12種類の特別なワインに合わせた京懐石を振る舞って頂きました。





危機感から始まった次世代に漆を繋ぐ活動が評価
今回、世界中の200を超えるファミリー企業候補の中から、当社が選ばれた理由はまさに「伝統と革新」でした。4世代に渡り受け継がれてきた伝統的な漆精製の技術はもちろん、光琳漆の研究開発や減少する漆需要に対して危機感を感じ、次世代に漆を繋げるための様々なアプローチが高く評価されました。
漆の素材としての魅力を伝えるプロジェクト「うるしのいっぽ」を皮切りに、サーフボードや自転車、スケートボードなどと掛け合わせた漆の新しい価値観や可能性を発信する「BEYOND TRADITION」。一般社団法人パースペクティブの中心メンバーとして実施するウルシの植栽事業やFABビレッジ京北と連携した木地師育成と地産地消のものづくり。野生の熊に樹皮を剥がれてしまったクマ剥ぎ材を使った漆塗りプロダクトの制作など、自社のみならず、林業や他の伝統工芸、天然素材、そして協力頂く多くの仲間たちと共に未来を切り開く課題解決型の取り組みがPFVメンバーの共感を得たと実感しております。
今後もこれらの活動をより充実させ、昨年4月に出来た人と漆を繋ぐ場所「Und.」を拠点に、漆の可能性をさらに広げて行きたいと考えております。
最後に、PFV12ファミリーの皆様、会場をご提供頂きました両足院副住職・伊藤東凌様、茶人・中山福太朗様、ファッションデザイナー・中里唯馬様、漆芸家・服部一齋様をはじめ、ご協力頂きました関係者の皆様、誠にありがとうごいざいました。引き続きご指導宜しくお願い申し上げます。







Exhibitor
Urushi Art
ISSEY HATTORI(Artist / Makie-shi)
Ornament(Necklace)
YUIMA NAKAZATO(Fashion Designer)
Synclee
NANJO KOBO(Orin Maker)
Bench Work Tatenui(Furniture Craftsman)
Laatry(Music Unit)
Chisoku Bicycle
VIGORE(Bicycle Brand)
Chawan / Wine Glass
Shogo Okawa studio balance(Product Designer)|
FireBird(Skateboard)
Arata Takashima(Makie Artisan)
Siita(Surfboard)
Rodrigo Matsuda(Surfboard Shaper)
Sekimori Stone
SAIDA SEKIZAI(Stone Lantern Maker)
SHOWEN KUMIHIMO(Kumihimo Maker)
Wine Glass Textile
Okabun Textile
Wine Case
Thierry Drevelle
– Special Thanks –
Toryo Ito(Ryosokuin)
Fukutaro Nakayama(Tea master)
Shingo yamasaki(Coordinator)
Primum Familiae Vini