「BEYOND TRADITION」 ALAIA×URUSHIのフィルムが完成しました!
ゴールドコースト空港到着
10月の撮影以来5ヵ月ぶりのオーストラリア
旅の疲れをとりにとりあえず海へ
クーランガッタの海からヌーサへ向かいます
『ヌーササーフフェスティバル2019』に行ってきました。
その中のFilmイベントで私たちの作ったurushi× alaia のフィルム「Beyond Tradition」を上映してもらうためです。
ヌーサフェスティバルは毎年3月にオーストラリアのヌーサ メインビーチで開催されています。
主にロングボードの大会で今年はWSLロングボード・チャンピオンシップ・ツアーと共同で3/2-10の期間に開催されていました。
大会はとてもハイレベルなのになんだかフレンドリーで楽しい感じ。
1968年以前に作られたボードのみ使用のオールドマル部門や、70歳以上のクラスだったりチーム戦、ドッグサーフィンや、ヨガ、ライブなど、サーフィンをしない人でもヌーサの海が満喫できます。
そんなイベントの一つに私たちのフィルムを上映してもらうサーフフィルムのイベントがあります。
ちょうど去年のヌーサフェスに試作のウルシアライアを持ってトムさんを訪ねました。
Tom Wegenerさんはアライアを現代に蘇らせた自然を愛する世界的なサーフボードクラフトマンです。
アライアとは古代ハワイアンの乗っていた木製サーフボード。
10年ほど前に見たサーフムービー『sprout』、私はその中でトムさんに出会いました。
家族とのバランス、人や自然のことを考えてウッドのサーフボードを作るトムさん。
その時この人の板に漆を塗りたいと心底思いました。
それから月日が流れ、私は年々減少する漆の使用量や傷つく地球環境に対して漆屋として、父親として、サーファーとして感じていることを形にするためにトムさんを訪ねます。
トムさんは温かく迎え入れてくれてサーフボード作りのこと、家族のことを話してくれました。
家族や仲間を大切に情熱をもって日々過ごしているトムさん
一緒に時間を過ごさせてもらう中、sproutの中のヒーローは私のこれからの目標になりました。
『BEYOND TRADITION』ALAIA×URUSHIは漆屋のこんな思いから生まれました。
安価大量生産、使い捨ては当たり前の時代。
石油製品が溢れ、欲しい物は何でも手に入る。
そんな時代、漆の製品は現代の生活からかけ離れてしまっている。
確かに便利な世の中だが、本当にそれで良いのだろうか?
便利な反面、知らぬ間に環境に負担をかけているのではないか。
そして「物を大切にする気持ちや、感謝する心」「世代を超えて、永く受け継いでいく」。そんな大事なことが忘れられてはいないだろうか。
「木を植え、育て、採取する」
樹液である漆は、この循環を壊さなければ枯渇しない循環可能な地球に優しい資源。
漆が作り出す独特の塗膜は、しっとりと人の肌に馴染み、使い込むことで味わい深い艶や風合いになっていく。
物によっては傷も一つの味となり、劣化する様も美しく、カッコいい。
傷んだり、壊れても修復して繰り返し使うことができる。
天然だからこそ、木も一本一本個性があるし、使い手によって十人十色の思い出が出来る。
漆は、木を植え、育てるところから、使い込んで、塗り替え、また使い続けるところまで、全てのシーンに物語がある。
こうした漆の天然素材としての魅力やストーリー性は、自然の中で遊び、暮らす人々に共感してもらえるのではないか。
そこから新たな価値観が芽生えれば、減りつつある漆を求める声が大きくなる。
木を育てる活動に繋がり、それが漆と、漆の文化を未来につなぐことになる。
漆がまた、生活の一部に入る頃、おのずと環境について考えたり、感謝したり、物を大切にする気持ちが生まれる。
そこには、きっと明るい未来が待っているはず。
私たちは漆にはそんな見えない力があると信じている。
そんな漆の力を、国を超えて多くの人に伝えたい
こんな思いを込めてURUSHI ALAIAをつくりました。
このフィルムは私の想いに共感してくれたShin&Coの青木さんと約2年前にはじめました。
2017/9月、まず青木さんが試作用のアライアを受取りにオーストラリアへ、一枚木からのアライア製作を撮影しました。
バイロンベイのアンディが一枚木の切りだしを行い、その木からトムさんがアライアを削り出してくれました。
2018/10月に完成したウルシアライアを持って再びヌーサへ
雨予報の1週間、ストームも来る中すばらしい天気にも恵まれ無事に撮影できました。
アダムは地元の養蜂家からミツロウを手に入れ、オーガニックココナッツオイルでサーフワックスを作っています。
できるだけ持続可能な形で、海を守るため他の生物を守るために少しでも環境に優しい物をつくろうとするgoodsurwax
一枚木のアライアに漆、ここに塗るワックスもできるだけ地球に優しい物が使いたかった。
アダムとの出会いに感謝です。
最高のチームでの夢のような1週間が過ぎ
日本に帰り編集やwebの制作
あっという間に時間は流れ今回の2019/3月のヌーサ―サーフフェスがやってきました。
フィルムイベントで大学教授がサーフィンについての研究を発表する
プロサーファーから子供まで一緒になって地元の海のことからオリンピック、世界中の海の環境問題に至るまでみんなで話しあう。
ゴミやリサイクルに関する意識の高さ
何より地元を愛し自然を大切にしたい気持ちがヌーサにあふれていました。
ディスカッションが終わるとショートフィルムフェスのはじまりです。
レッドブルやパタゴニア、有名なフィルマーの作品の中、私たちのフィルムを最初に流して頂きました。
ヌーサフェスはplastic freeイベントを目指しているそうです。マイボトル用の給水場やボランティアの姿が目につきました。
紙ストロー・メタルストロー・マイバック持参は当たり前、過剰な包装やいらないものは買わないといった雰囲気を感じます。
フェスの間はサイクロンオーマが過ぎ去った後の頭ぐらいのファンウェーブから膝波までいろんな波がやってきました。
シングル、ツイン、トライフィン、フィンレス、トムさんのコーキーボードまで
様々な板に乗らせてもらいました。
どんな波でもどんな板でも海の楽しみ方は人それぞれ
美しい海で楽しい時間を過ごさせてもらいました。
温暖化やゴミの問題、海の汚染をすぐに止めることは出来ないかもしれない
でも汚染された海を前に子供たちに海は遊ぶところじゃないんだよ
山を前にパウダーって何?なんて言わせてたくない
今できることを少しづつ
ヌーサの人にとって海や自然を大切に、守るのが当たり前のことのように、漆を使いつなぐことが日本中、世界中の日常になって欲しい。
漆がプラスチックにとってかわるとかではなく、まずは自分たちの暮らしを見直すもの、環境を考えるきっかけそんな素材として世界中の人に知ってもらいたい。
きれいな地球とともに漆と漆の文化を次世代へ
アメリカのフィルムフェスへのお誘いやオーストラリアの大学との新たな取り組みのお話も頂きました。
まだ何が出来るかわからないけれど、何かできるんじゃないかとワクワクする
漆を知らない人たちの中で感じたこと
それはただただ漆には人を惹きつける力があるということ
「うるしのいっぽVol.0」を作って2年半が経ちました。
つなぐ気持ちでつけた「Vol.0」
BEYOND TRADITIONが「うるしのいっぽ」のvol.1となりました。
漆を次世代につなぐ旅
これからも続けていきたいです。
アライアライダーのガスが「PACIFIC LONG BOARDER」今月号の表紙を飾りました!
ウルシアライアを作り始めた時、トムさんの思いを次の世代へつなぎたい
そう思って高校生のガスにアライアに乗ることをお願いしました。
高校を卒業するガス、これからが楽しみです!!
Congratulations Gus. This is fantastic!!
Special thanks to everyone!
Tom Wegener, Margie Wegener, Sunday Wegener, Tom Wegener Surfboard // Andy Ceglinski - Wood Surf Co. // Adam Harriden - Goodsurfwax // Gus O’Malley // Kosuke Yamauchi - Tanba Urushi // James Kates (Film) // Roussev Christo (Film) // Naoki Miyashita (Film + Photography) // Ryan Jones (Photography) // Adrien Dates (Photography) // Mio Kawazoe - REEF Japan // Kyosuke Karube - Hair California.
All Music Produced by chuwone a.k.a.Tsuyoshi Torii (SSSRecord) // Shakuhachi by Rindo Aoki // Voice & Norito by MC Mystie