「BEYOND TRADITION」 ALAIA×URUSHIのフィルムが完成しました!

IMG_1973.jpg

ゴールドコースト空港到着

10月の撮影以来5ヵ月ぶりのオーストラリア

旅の疲れをとりにとりあえず海へ

レインボーで1ラウンド

レインボーで1ラウンド

クーランガッタの海からヌーサへ向かいます

IMG_1993.jpeg

『ヌーササーフフェスティバル2019』に行ってきました。
その中のFilmイベントで私たちの作ったurushi× alaia のフィルム「Beyond Tradition」を上映してもらうためです。

ヌーサフェスティバルは毎年3月にオーストラリアのヌーサ メインビーチで開催されています。
主にロングボードの大会で今年はWSLロングボード・チャンピオンシップ・ツアーと共同で3/2-10の期間に開催されていました。

フェスが行われているヌーサメインビーチ

フェスが行われているヌーサメインビーチ

P1210014.jpg
メンズ ロガープロメインとJr部門で優勝の偉業を成し遂げたカニエラ・シチュワート

メンズ ロガープロメインとJr部門で優勝の偉業を成し遂げたカニエラ・シチュワート

サーフクラブからの景色 みんなビールを飲んで大会を楽しんでいます。

サーフクラブからの景色 みんなビールを飲んで大会を楽しんでいます。

P1200982.jpg
P1210037.jpg
P1200970.jpg
P1200989.jpg

大会はとてもハイレベルなのになんだかフレンドリーで楽しい感じ。

1968年以前に作られたボードのみ使用のオールドマル部門や、70歳以上のクラスだったりチーム戦、ドッグサーフィンや、ヨガ、ライブなど、サーフィンをしない人でもヌーサの海が満喫できます。
そんなイベントの一つに私たちのフィルムを上映してもらうサーフフィルムのイベントがあります。

ちょうど去年のヌーサフェスに試作のウルシアライアを持ってトムさんを訪ねました。

漆の美しさにトムさんもうっとり 2018/3月

漆の美しさにトムさんもうっとり 2018/3月

RVCAライダーのガスとトムさん 2018/3月

RVCAライダーのガスとトムさん 2018/3月

美しくて速い!!と言っていた楽しそうな二人 2018/3月

美しくて速い!!と言っていた楽しそうな二人 2018/3月

板をなでながら美しくて気持ちいい!!とガスはいつも板を大切にしてくれます。

板をなでながら美しくて気持ちいい!!とガスはいつも板を大切にしてくれます。

Tom Wegenerさんはアライアを現代に蘇らせた自然を愛する世界的なサーフボードクラフトマンです。
アライアとは古代ハワイアンの乗っていた木製サーフボード。

10年ほど前に見たサーフムービー『sprout』、私はその中でトムさんに出会いました。
家族とのバランス、人や自然のことを考えてウッドのサーフボードを作るトムさん。
その時この人の板に漆を塗りたいと心底思いました。
それから月日が流れ、私は年々減少する漆の使用量や傷つく地球環境に対して漆屋として、父親として、サーファーとして感じていることを形にするためにトムさんを訪ねます。
トムさんは温かく迎え入れてくれてサーフボード作りのこと、家族のことを話してくれました。
家族や仲間を大切に情熱をもって日々過ごしているトムさん
一緒に時間を過ごさせてもらう中、sproutの中のヒーローは私のこれからの目標になりました。

日本のカンナを使うトムさん UrushiAlaiaのために1枚木からALAIAを作ってもらいました 2018/3月

日本のカンナを使うトムさん UrushiAlaiaのために1枚木からALAIAを作ってもらいました 2018/3月

庭には大きな木や果物や野菜がたくさん育っています 2018/3月

庭には大きな木や果物や野菜がたくさん育っています 2018/3月

海に向かうトムさん

海に向かうトムさん

コーキーボードに乗るトムさん

コーキーボードに乗るトムさん

ジャッジ席からの眺め

ジャッジ席からの眺め

連日のMCお疲れ様でした。

連日のMCお疲れ様でした。

『BEYOND TRADITION』ALAIA×URUSHIは漆屋のこんな思いから生まれました。

安価大量生産、使い捨ては当たり前の時代。
石油製品が溢れ、欲しい物は何でも手に入る。
そんな時代、漆の製品は現代の生活からかけ離れてしまっている。
確かに便利な世の中だが、本当にそれで良いのだろうか?

便利な反面、知らぬ間に環境に負担をかけているのではないか。
そして「物を大切にする気持ちや、感謝する心」「世代を超えて、永く受け継いでいく」。そんな大事なことが忘れられてはいないだろうか。

「木を植え、育て、採取する」
樹液である漆は、この循環を壊さなければ枯渇しない循環可能な地球に優しい資源。

漆が作り出す独特の塗膜は、しっとりと人の肌に馴染み、使い込むことで味わい深い艶や風合いになっていく。
物によっては傷も一つの味となり、劣化する様も美しく、カッコいい。
傷んだり、壊れても修復して繰り返し使うことができる。

天然だからこそ、木も一本一本個性があるし、使い手によって十人十色の思い出が出来る。
漆は、木を植え、育てるところから、使い込んで、塗り替え、また使い続けるところまで、全てのシーンに物語がある。

こうした漆の天然素材としての魅力やストーリー性は、自然の中で遊び、暮らす人々に共感してもらえるのではないか。

そこから新たな価値観が芽生えれば、減りつつある漆を求める声が大きくなる。
木を育てる活動に繋がり、それが漆と、漆の文化を未来につなぐことになる。

漆がまた、生活の一部に入る頃、おのずと環境について考えたり、感謝したり、物を大切にする気持ちが生まれる。
そこには、きっと明るい未来が待っているはず。

私たちは漆にはそんな見えない力があると信じている。
そんな漆の力を、国を超えて多くの人に伝えたい
こんな思いを込めてURUSHI ALAIAをつくりました。

FILM 『BEYOND TRADITION』ALAIA×URUSHI

URUSHI ALAIAに乗るガス photo by Ryan Jones

URUSHI ALAIAに乗るガス photo by Ryan Jones

このフィルムは私の想いに共感してくれたShin&Coの青木さんと約2年前にはじめました。

2017/9月、まず青木さんが試作用のアライアを受取りにオーストラリアへ、一枚木からのアライア製作を撮影しました。
バイロンベイのアンディが一枚木の切りだしを行い、その木からトムさんがアライアを削り出してくれました。

バイロンのWood Surf Co. アンディ(とても大きいので私は背伸びしています)

バイロンのWood Surf Co. アンディ(とても大きいので私は背伸びしています)

アンディの工場からの景色

アンディの工場からの景色

置いてある木がなんでも大きい

置いてある木がなんでも大きい

最終仕上げするトムさんこれを日本にもって帰ります。

最終仕上げするトムさんこれを日本にもって帰ります。

ウルシアライア 塗り工程で蒔絵も含めて約5か月かかりました

ウルシアライア 塗り工程で蒔絵も含めて約5か月かかりました

NPO丹波漆 山内さんの漆搔き撮影 2018/7月

NPO丹波漆 山内さんの漆搔き撮影 2018/7月

今年は猛暑で漆の木も葉を落としている状態、環境が漆のできに大きく影響します(漆の木は実は弱くて育てるのに大変手間がかかります)

今年は猛暑で漆の木も葉を落としている状態、環境が漆のできに大きく影響します(漆の木は実は弱くて育てるのに大変手間がかかります)

2018/10月に完成したウルシアライアを持って再びヌーサへ
雨予報の1週間、ストームも来る中すばらしい天気にも恵まれ無事に撮影できました。

カメラマンのライアンとトムさん 2018/10月

カメラマンのライアンとトムさん 2018/10月

フィルマーのジェイムスとウルシアライアに乗るガス 2018/10月

フィルマーのジェイムスとウルシアライアに乗るガス 2018/10月

トムさんインタビュー 2018/10月

トムさんインタビュー 2018/10月

goodsurfwaxのアダム photo by Ryan Jones

goodsurfwaxのアダム photo by Ryan Jones

容器も蓋も環境に配慮された製品です photo by Ryan Jones

容器も蓋も環境に配慮された製品です photo by Ryan Jones

アダムは地元の養蜂家からミツロウを手に入れ、オーガニックココナッツオイルでサーフワックスを作っています。
できるだけ持続可能な形で、海を守るため他の生物を守るために少しでも環境に優しい物をつくろうとするgoodsurwax
一枚木のアライアに漆、ここに塗るワックスもできるだけ地球に優しい物が使いたかった。
アダムとの出会いに感謝です。

最高のチームでの夢のような1週間が過ぎ
日本に帰り編集やwebの制作
あっという間に時間は流れ今回の2019/3月のヌーサ―サーフフェスがやってきました。

フィルムイベントの会場 the J

フィルムイベントの会場 the J

サンシャインコーストのUSC UniversityのJavier Leon教授

サンシャインコーストのUSC UniversityのJavier Leon教授

 フィルムイベントで大学教授がサーフィンについての研究を発表する

プロサーファーから子供まで一緒になって地元の海のことからオリンピック、世界中の海の環境問題に至るまでみんなで話しあう。

ゴミやリサイクルに関する意識の高さ

何より地元を愛し自然を大切にしたい気持ちがヌーサにあふれていました。

左からDr.Javier Leon USC University ,Marine Morat , Rachael Tilly 2015 WSL Women's Longboard World Champion ,今回オールドマルで優勝の Harrison Roach, master-shaper Tom Wegener

左からDr.Javier Leon USC University ,Marine Morat , Rachael Tilly 2015 WSL Women's Longboard World Champion ,今回オールドマルで優勝の Harrison Roach, master-shaper Tom Wegener

IMG_2153.jpeg

ディスカッションが終わるとショートフィルムフェスのはじまりです。
レッドブルやパタゴニア、有名なフィルマーの作品の中、私たちのフィルムを最初に流して頂きました。

みなさんにご挨拶

みなさんにご挨拶

オリンピックや環境問題、海への青木君の思いを語りました
みんなさんにアライアやお椀を手に取ってもらいました。

みんなさんにアライアやお椀を手に取ってもらいました。

漆に興味しんしん、循環可能な素材であること、その手触りや質感、木を感じる事が出来る所が好きだそうです。

漆に興味しんしん、循環可能な素材であること、その手触りや質感、木を感じる事が出来る所が好きだそうです。

会場にゴミは落ちてなく分別がしっかり行われていました。早朝にはボランティアの方による掃除が行われていました。

会場にゴミは落ちてなく分別がしっかり行われていました。早朝にはボランティアの方による掃除が行われていました。

ヌーサフェスはplastic freeイベントを目指しているそうです。マイボトル用の給水場やボランティアの姿が目につきました。

紙ストロー・メタルストロー・マイバック持参は当たり前、過剰な包装やいらないものは買わないといった雰囲気を感じます。

駐車上に大きなトカゲが!ゴアナって地元の人は言っていました、

駐車上に大きなトカゲが!ゴアナって地元の人は言っていました、

ワイルドターキー日本の鳩みたいにどこでもいます

ワイルドターキー日本の鳩みたいにどこでもいます

多くの人が海でゆっくり過ごしています

多くの人が海でゆっくり過ごしています

無事に上映が終わってみんなで撮影

無事に上映が終わってみんなで撮影

フェスの間はサイクロンオーマが過ぎ去った後の頭ぐらいのファンウェーブから膝波までいろんな波がやってきました。
シングル、ツイン、トライフィン、フィンレス、トムさんのコーキーボードまで
様々な板に乗らせてもらいました。
どんな波でもどんな板でも海の楽しみ方は人それぞれ
美しい海で楽しい時間を過ごさせてもらいました。

温暖化やゴミの問題、海の汚染をすぐに止めることは出来ないかもしれない
でも汚染された海を前に子供たちに海は遊ぶところじゃないんだよ
山を前にパウダーって何?なんて言わせてたくない

今できることを少しづつ

ヌーサの人にとって海や自然を大切に、守るのが当たり前のことのように、漆を使いつなぐことが日本中、世界中の日常になって欲しい。
漆がプラスチックにとってかわるとかではなく、まずは自分たちの暮らしを見直すもの、環境を考えるきっかけそんな素材として世界中の人に知ってもらいたい。

ヌーサの夕焼け この日はトムさんやみんなと海で最高の一日をゆっくり過ごすことができました。Thank you Noosa

ヌーサの夕焼け この日はトムさんやみんなと海で最高の一日をゆっくり過ごすことができました。Thank you Noosa

きれいな地球とともに漆と漆の文化を次世代へ

アメリカのフィルムフェスへのお誘いやオーストラリアの大学との新たな取り組みのお話も頂きました。
まだ何が出来るかわからないけれど、何かできるんじゃないかとワクワクする

漆を知らない人たちの中で感じたこと
それはただただ漆には人を惹きつける力があるということ

「うるしのいっぽVol.0」を作って2年半が経ちました。
つなぐ気持ちでつけた「Vol.0」

P11505671.jpg

 BEYOND TRADITIONが「うるしのいっぽ」のvol.1となりました。

漆を次世代につなぐ旅
これからも続けていきたいです。

photo by Ryan Jones

photo by Ryan Jones

photo by Ryan Jones

photo by Ryan Jones

Gus O’Malley from the NSW Central Coast, smooth-as stretch, with a cool water angle by Hunter Thomson

Gus O’Malley from the NSW Central Coast, smooth-as stretch, with a cool water angle by Hunter Thomson

アライアライダーのガスが「PACIFIC LONG BOARDER」今月号の表紙を飾りました!
ウルシアライアを作り始めた時、トムさんの思いを次の世代へつなぎたい
そう思って高校生のガスにアライアに乗ることをお願いしました。
高校を卒業するガス、これからが楽しみです!!

Congratulations Gus. This is fantastic!!

Special thanks to everyone!

Tom Wegener, Margie Wegener, Sunday Wegener, Tom Wegener Surfboard // Andy Ceglinski - Wood Surf Co. // Adam Harriden - Goodsurfwax // Gus O’Malley // Kosuke Yamauchi - Tanba Urushi // James Kates (Film) // Roussev Christo (Film) // Naoki Miyashita (Film + Photography) // Ryan Jones (Photography) // Adrien Dates (Photography) // Mio Kawazoe - REEF Japan // Kyosuke Karube - Hair California.

All Music Produced by chuwone a.k.a.Tsuyoshi Torii (SSSRecord) // Shakuhachi by Rindo Aoki // Voice & Norito by MC Mystie

asakitichi tsutsumi